Oct 22/2002 造影剤新発売 リゾビスト(シェーリング)、プロハンスシリンジ(エーザイ)
ねてから発売が待たれていた、陰性造影剤
リゾビストの薬事承認が得られました。薬価収
載がされ次第、臨床で使用できるようになると
思います。12月ぐらいからでしょうか(収載
されたら速報します)。

[コメント]
リゾビストは超常磁性体酸化鉄 (SPIO: Superparamagnetic
Iron Oxide)で、Kupper細胞に取り込まれ、その強い磁性に
より周囲の磁場を乱し、陰性造影効果を発揮する薬剤です。
従来点滴静注用の製品がでていましたが、
本剤は静注(oneshot可能)な薬剤であり、より容易な臨床への
利用ができるようになります。なおかつダイナミック撮影もあ
るていどできることが期待されています。急速に普及すること
になると思います。

撮影法は一般に、
1) T2強調画像
2) T2*強調画像
3) T1強調画像(脂肪抑制)=ダイナミックにも使用
4) T1・T2*強調画像を撮影しておけば良いでしょう。

T1・T2*強調画像というのはわたくしのつけた造語ですが、
詳細は「MRI応用自在」のSPIOの項(考案者の慶応義塾大学
谷本伸弘(あきひろ)先生のお書きになったところを)ご覧に
なると良いでしょう。嚢胞が肝とisointensityになるので腫瘍
との鑑別に有用です。
ロハンスは、従来から販売されていた非特異性陽性造影剤(Gd製剤)ですが、今回シリンジ製剤が追加になりました。容量に特徴があり、13mLと17mLシリンジです。(情報を下さった杏林大学担当の紙山英博さんありがとうございます(^^))

[コメント]
従来は他社製品も含めて、10,15,20mLというキリのよい数字のラインナップでしたが、13mL、17mLという半端な数字です。これはどうしてかというと、MRIを撮影した患者さんの体重分布を調べ、85Kg(17mL相当)以下の人が99%であること、また65Kg(13mL相当)以下の人が81%であることから、従来(たとえば20mLなり15mLなり)よりも少ない容量で適正に使用できるように工夫したものです。

昨今は医療費削減が叫ばれており、時代の要請に合致したよいアイデアだと思います。とくにGd造影剤は1mLで1000円するわけですから、20mLから3mL減っただけでも1人当たり3000円もの医療費削減効果があるわけです。

経営者にとっては薬価そのものよりも「利ざや」の大きさが採否を決めるためにより重視する点でしょうし、また造影効果は高用量のほうが大きいので現場では多めの容量が好まれるとは思いますが、さしあたり大義名分を獲得した意味は、ビジネス上は相当大きいと思います。また、13と17という数は奇しくも素数であり、きわめて「ハンパ」な感じのするインパクトのある、意外性の高い数値です。私が社長だったら発案した人(チーム)になにか賞をあげます。社長賞でもいいと思います(^^)


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