Nov 28/2007 Siemens MR Essenza & Verio
Siemensは2つの新機種を発表。ひとつは低価格1.5TのEssenzaで、もう一つはワイドボアの3T、Verioです。この「MRIのホームページ」では後者のほうを紹介したい、、、かなと思ったのですが、内容を見て前者がよりスゴイと思いました。
はいこれがシーメンスブースです。新しい機種のみ、モダリティを超えて展示されていました。この方式は近視眼的にならなくていいと思いました。
これがEssenzaの説明です。1.5Tの中でもっとも安いレンジの装置(Avantoの3割引ぐらいらしい)だそうです。1.5Tは、Avanto (high-end), Espree (Wide bore), Shymphonyといった系列でしたが、ここにさらにEssenzaが加わることになるそうです。Symphonyは終わり?と聞いたのですが、販売継続なんだそうです。

Tim搭載が標準的に考えられているのはAvanto, Espree, Essenzaなのですが、Symphonyにも一応載るそうです。

中国製のマグネットを使用しているそうです。画質についてはユーザーの評価を待たないと分からないですね、。

これがそのEssenzaです。おっきなお姉さんが乗っていました。
そして衝撃なのがこれ。IsoCentter Matrixと呼ばれる、built in surface coilです。これ、僕は考えていましたが、まさか本当に実機に搭載されるとは。オドロキです。

今回のRSNAで最も大きな話題はなんといっても320列でしょうけれど、僕はこの発明に特別賞をあげたいです。

背側built-inということだと、問題はコイルから体までのdistanceですね。当然天板がありますから、これが問題となります。そこで聞いてみました。

そうしたら、天板もきちんとthinner productにしてあるんです。写真で厚みを示すことができなかったので、指の感触で調べたのですが、たしかに薄くなっていました。

さらに、天板の上のものもthinner cushionに代えてありました。企業がやれば当然とは思いますけれど、これらのアイデアをきちんと形にしたのは素晴らしいと思います。
問題は、built in surface coilがdorsal sideにしかないことですね。

左のL-spineは、特に問題なく施行できるでしょう。
左下のBody撮影では、anterior側に対向するarrayを置いて撮影します。
下のhead-spine scanでは、置いたまま撮影が可能です。

さて皆さんの評価はいかがでしょうか。実はこの使い方でほとんどOKということが分かりますね。上側からpedunculate surface coilが懸架されれば完璧ですが、そうならなくても、実際の臨床でかなり十分な使い方ができることが分かります。

この装置のSI 方向のmax FOVは35cmなので、そのスペックには問題がありますが、この発明自体はAvantoに載せてもいいのではないかと思いました。

IsoCenter Matrixは、すでに述べたとおり、dorsal coil - table - bodyのdistanceが問題となるわけですけれど、私は自分の経験からこれがそんなに大きな問題にはならないと考えており、むしろコストダウンと使い勝手の向上のバランスを考えるととてもよい解決法だと思います。

マグネットが異なりますし、FOVも小さいなどハードの制約はありますが、これは全体システムを安く上げる(最廉価版)のためのものですから分けて評価する必要があります。他機種への搭載など今後の展開に注目したいと思います。

解説はいつもの水内さんにお願いしたのですが、「あ、それから僕はこれがいいと思ったんですが」と思って出してきてくれたのがこれ。

一見フツーのshoulder coilなんですけど、

Focus shoulder array coilという名前で、外側部分にshim coilが内装されているんですって。

だから下のようなシミングでなくて、右のようなoff-center shimmingがより高い精度でできるそうなのです。

これが得られた画像です。まぁ画像だけみただけではわかりませんけれど、こういう製品は実際の使用状況を良く把握して作ったと思われますからとてもマルです。

また、水内さんがとくにこれを選んで紹介してくれたのはとてもうれしいです。やっぱりMRI好きの人が紹介することは気が利いているな〜と思いましたよ。

はい、で次が3T wide boreのVerioです。

ベリオは、Very Open から来ているんだそうです。

ホンマかいな、という感じですが、まぁ聞けば一発で覚えるという意味では花マルです。

下はその開口部と、内藤さん。内藤さんは営業本部長でしたけれど、会う度に出世していて、今度は取締役だそうです。おめでとうございます。なんか課長島耕作のマンガ読んでいる気になりますよ。はい。

上の写真が水内さんで、これは3Tのガントリ長が173cmと短いことを示してもらっています。

重さ6tと軽量。
最大FOV(SI方向)は45cmです。

左上のように大きな人が入れるほか、上のように側臥位撮影ができたりします。仰臥位では呼吸状態に問題がある人も撮れる、ということです。

また左のように重篤な患者さんでさまざまなlife supperting deviceがついているひとでも日常的にスキャンできます、というディスプレイです。

左下と下は、C-spineのdynamic (kinematic)な撮影の様子。Wide boreだからできるアプリケーションです。

WIPですが、3Tもこのようなintraoperating systemとする計画があるそうです。

すごいのは、これ天井走行になっているんですよ。つまり患者さんを動かすんじゃなくて、MRIが動いてくるんです。また2つの部屋で使えるというメリットもありますね。

アプリに関してはあまり詳しくは聞かなかったですが、ごらんのようにDTI, 軟骨ca測定、ASLなどがroutine clinical useとして使用できる packageになるようです。
あとは、NATIVEと呼んでいる非造影MRAです。左下のFBI的なものと、下のようなt-SLIP的なものが用意されているようでした。
VerioのVery open concept (?)は、商業的に非常に重要なもので、Espreeがだいぶ売れたことから決断したのだと思います。実際の画像がどの程度なのかにかなり不安があるとは思いますが、もし大丈夫なら成功するのではないでしょうか。

EssenzaのIsoCenter Matrixは、様子見で出している感じがします。これは自分もだいぶ前にアイデアを持っていたので、製造設備があれば特許とれたかもな〜(^^;) なんてちょっと悔しく思ったりもするのですが、普通の思考回路では、対向側のコイルの処理に困るはずで、そこで思考停止するわけなのですけれど、背側のものだけでも使い勝手が向上するしコストが下がるから価値がある、ということに気付いてそれを実行したところがすごいです。こういうのをコロンブスの卵といいますね。というわけでRSNA2007 tarorin特別賞を差し上げます!