Nov 28/2007 EZEMのポータブルクレアチニン値測定器
EZEM (イージーイーエムと読みます)はインジェクターや針などを手がけるメーカーですが、すごく役に立ちそうなものを見つけたので紹介します。
製品名をEZ CHEM(イージーケム)といって、その場でクレアチニンを測定する装置です。

ブースにでかでかと模型が表示されています。
Clinical Trialが終わり、今回販売が出来るようになった、とのことです。

グラフの横軸はラボでの測定、縦軸はEZ CHEMでの測定結果を示しています。相関係数はこの縮小した写真では見えないですが0.9706と極めて良好です。

これが本体外観です。PDAよりは三まわりぐらい大きいのですが、とりあえずPalm topとは呼べます。
これがシステム全体です。左が電源を供給するクレードル、右隣の瓶のようなものが測定用のテープの入れ物、右側の小さな目薬の容れ物のようなものが、QC(Quality Control)用の液体です。
テープはこの程度の大きさです。通常のテステープみたいにも見えますが、裏面は電子回路がプリントされています。
これをEZ CHEMの上端に差し込むとクレアチニン値(上)とGFR(下)が表示されます。

どうやってGFRを計算するのか聞いてみたのですが、人種、性別、年齢を入力するだけのようでしたので、MDRD(Modification of Diet in Renal Disease)を使って近似的に求めるのだと思います。

うしてこれがすごいのか、説明を追加したいと思います。一見すると、ただのクレアチニン値のポータブル測定器でしょ?という感じだと思いますが、実はCTやMRIの現場ではこれがわからなくて困ることがあるからなんです。現在ではCTもMRIも、基本的には同意書を取得して検査を行うわけですが、緊急のとき、あるいは測定忘れなどで、検査時に患者さんが来てみると、クレアチニン値が測定されていないことがままあるのです。

このとき、すぐに検査ができればいいのですが、採血室に行って採血をしてもらい、結果が出るまですこし待って再度検査室にきてもらうといった手順を(正規には)踏まなくてはならず、せっかくの予約検査がめちゃくちゃになってしまうのですね。おそらくは現場では、腎機能に問題がなさそうであることを問診などで確かめるだけで検査することになってしまうわけです。

最近クローズアップされてきたNSFに関する問題もあり、CrとGFRの把握は社会的にも重要になってきています。こういった背景で生まれてきた製品、ということが言えるのではないでしょうか。

EZ CHEMはまず米国で販売開始になり(すでにOK)、欧州では6ヶ月程度以内に販売開始を予定しているようです。日本での販売計画はまだないようですが、注目しておくべきものと思われます。

なお米国での価格およびランニングコストについても聞いてきました。

価格 4500ドル
ランニングコスト テープ1本5ドル、毎日QC用に2本のテープが必要

とのことです。これなら十分に運用できますね。

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