TimCT は、特別なアプリケーションにのみ使われる技術ではなく、ルーチンの撮影に用いることができる機能のようです。そして、Timに関しては最大102素子のコイルにつないで、32チャンネルで受信することが可能です。
下の写真は、その象徴的な使用方法で、造影 MRA においてテーブルが動きながら撮影できます。一つの部分を撮影して次に段階的に移動するのではなく、あくまでも持続的に動きます。 axial のスキャンだけではなくて、このように造影 MRA のような冠状断のスキャンも continuous table moving 状態で撮影することができるということでした。
左の写真では、像の左右に上下に長い法が表示されていますが、これが各々の coil の受け持つ範囲です。
このディスプレイでは動画で示されていて、撮影部位の移動に伴って次々に coil を変える様子が表示されていました。
スカウト画像を撮影する時の移動速度は、概ね5cm /秒のようです。
T1強調画像は1cm /秒程度、 T2強調画像は3mm /秒程度で撮影可能ということでした。このあたりは、当然分解能とのトレードオフになりますので、実際の撮影条件で色々試してみたい気がします。
なお繰り返し時間が長いとなかなか進むことができないということです。従ってこの方法は TR が短い撮影法(例えば造影 MRA )において特に福音となるようです。
体全体のスカウト画像を40秒程度で撮影できると書いてあります。
次にテストボーラスによるタイミングのチェックを行います。
次にMRA 用のスカウト画像( Vessel scout)を撮影した上で、造影前後の MRA を取得します。
なぜかというと、まず、 Tim のようなコンセプトがないといけません。その上に自動的に coil が上から下に向かって選択されていくような仕掛け( AutoCoil Select )が必要になります。さらに、各部位によって断面の大きさが異なりますので、その場所場所で RF パルスのエネルギーを変化させ 、SAR を調整しないとなりません。また部位ごとのシミングがきちんとなされている必要があり、これができないと脂肪抑制がうまくいかないということになります。おそらくVessel scoutではこのようなことをしていると思われます。さらに、テーブルが持続的に動いている状況で二次元の撮影を可能にする工夫や、あるいは造影 MRA のように、冠状断の三次元収集も行えるようにするための工夫も必要です。
これらがすべてクリアされた時に、初めて TimCT になるわけです。実際のプロダクトとして提供されるようになるには、かなり高い技術の集約がなされた結果と感じました。それではこの技術か今後何に役に立つのでしょうか? これは皆さんがぜひ考えいただきたいことだと思います。よく、「で、いったい何に役に立つの?」と(ちょっと威張った態度で)企業に聞く人がいますが、私はこれを端でありゃりゃーと思います。それを考えることが放射線科医や技師の役割、ですよねぇ。
撮像時間の延長が気になるところですが、あまり伸びないということでした。これも実際の撮影で試してみたいですね