Dec 27, 29/2006 Philips New MRI Achieva 3.0T X & Achieva XR
Philipsが今回新しく発表したMR装置は、1.5Tでまず納入して、その後3Tに切り替えられるようなもののようです(日本では未発売)。3.0Tは新しいマグネットのXシリーズに変わるのですが、これにR (Rampable;ここでは磁場を上げることができるという意味)がついたXRという派生機種としてラインアップされるようです。 (注意:AmiVoice MedMail Ver.6.51a を利用して執筆しています。従来よりかなり性能が向上して容易に執筆ができるようになりましたが、速報なので文章表記の誤りがあるときがあります。その場合はご連絡いただけますと幸いです
巨大なフィリップスブースです。
これがそのAchieva 3.0T X。

(日曜日の写真。月曜日には3.0T XRとして展示されていました=この記事は続きます)

続きです。

翌日のお昼ブースに寄ってみると、左側の表示が、Achieva XRという名前に変わっていました。ふ〜ん、やっぱり証拠写真とっておくと面白いですね (^^)
マグネット側面にもライトで名前が投影されています。

Achieva 3.0T XR じゃなくて
Achieva XR という名前であり、磁場強度が書いていないのがミソのようです。

下の説明文では、
「今日(購入時のこと)は業界屈指の1.5Tで、明日(バージョンアップ時のこと)は3.0Tに作り替えることが出来る価値のあるシステム」という趣旨のことが書かれています。

このXRを説明する前に、Xのことを説明しないとうまくつながらないので、Xについて話します。

このAchieva 3.0T X-seriesは、マグネットとグラディエント、およびRFが新しくなった新世代のシリーズのようです(左下)。またようやく、といった感じですが名実共に32Chをサポートできるらしいです。

下の写真でとりあえず把握すべきことは、FOVが最大50cmに大きくなり、重さが5.5tから4.5tに軽くなり、ヘリウムの蒸発がゼロ(Zero Boil-Off)になるということのようです。(マグネットの大きさやガントリー直径はあまりかわらない)

で、これが見分け方です。新しいXシリーズのマグネットは、MR装置おきまりの、上部への突出がほとんどないことがわかります。

皆さんご存知のごとく超伝導 MRI というのは液体ヘリウムで coil を冷やして、超伝導(抵抗のない)状態をつくり出しているのですが、絶対温度4度の環境をつくり出すために、魔法瓶構造は二重になっていました。この装置では、これを一重で可能にしているようで、このために上部におけるコールドヘッドと呼ばれる突出部分が小さくなったということです。
このために、重さも5.5tから4.5tに軽くなったということでした。

(後で実機で確認したのですが、筐体外装デザインは突出なしになっているものの、飛び出し量はあまり変わらない感じです。すこし情報が混乱していますがそのうち詳しく分かると思います)

Gradient に関しては、それほど大きな変更はなくて、Quasar Dualと呼ばれているものに、廉価版のQuasarというバージョンが加わったようです。

また、立て付け部分等を強化することで騒音がだいぶ小さくなっているという説明を受けました。これは東芝の真空魔法瓶消音化技術のほうが進んでいると思いますが。

RF のことに関してです。3テスラ装置において SAR が高くなることを皆さんご存知と思いますが、通常 RF は Body coil から送信されます。

この body coil が大きいと身体へのheat depositionが増すので、これを最適化(若干小さく)することにより、 SAR の上昇を効果的に防ぐことができるようになったということです。

つまり、今までの Philips の3テスラ装置よりも、 SAR 制限に達しにくい改良が施されているということでした。

これがその説明図です。上段が従来のもの、下段が新しいもので、 body coil が小さくなっていることが分かると思います。

これに伴って誘電率効果(dielectric effect )夜アーチファクトも改善され、この説明図では従来はdielectoric bag(SatPadのようなもの)が必要だったが、この装置では必要がなくなっているということがかかれています。どの程度の効果があるのか、実際の装置で確認してみたいところですね。

その他、 Philips ユーザーにとって、最も大きな福音は、今回ようやくマルチチャンネル用の coil のラインナップが非常に豊富になったということではないでしょうか。

これはIGCを買収したことによる効果のようです。IGC子会社の Invivo社から出ている様々の coil を使用できるようです。この会社は他社にも coil を卸していますので、どの MRI においても似た製品があることが分かると思います。

上が HeadNeckSpine coil .左が足関節用 coil .左下が手首用の coil 、下がCardiac coilです。フィリップス社純正のものと Invivo社のものがまざっていると思うのですが時間がなかったので詳細は省略します。

これはおそらくフィリップス社純正の7チャンネルの breast coilです。側方から biopsy ができるようになっています。
ご覧のように引き出したり奥に移動させたりして、乳房を圧迫固定することができます。手に重なって格子の中に青い部品があることが分かると思いますがこれは、針の刺入位置を自動的にコンピューターが把握するためのデバイスだということでした。
XRの日本での発売予定はいまのところないそうです。

写真削除しました。

というわけで、新しい X シリーズの説明が終わったので、ようやく XRシリーズの説明です。
先程説明したごとく、この装置は1.5テスラ装置として導入することが可能で、その後3Tesla にバージョンアップすることができるという商業的なコンセプトです。まずアメリカで販売を考えているようで、日本での販売予定は未定です。
アメリカにおいても、本当に高価な3テスラ装置をいきなり導入するのは経営的に勇気がいるようです。そこでこのコンセプトによって、まず1.5テスラの値段で導入してもらうというものです。
写真削除しました。 この装置の coil の巻き数は3Tesla と同じだけ巻かれており、これに弱い電流を流すことで1.5テスラ装置として稼働します。RF 周波数は1.5テスラ用の63MHz を使用するわけです。
写真削除しました。 マグネット自体は X シリーズと同じものであるので、重さとか FOV とかのスペックは同じです。

写真削除しました。 1.5テスラ装置の値段に少し足すことによって XRシリーズを購入でき、3テスラ装置に必要な初期導入コストを下げることができるというわけです。それでお金が出来たら(笑)、いつでも3テスラ装置にUpgradeすることができるというわけです。

3テスラ装置に入れ替えるためには、一度建物を壊し、フォークリフトで1.5T装置を搬出し、3T装置を搬入し、建物のシールド工事等を行う必要があります。

しかし XRシリーズにおいては建物を壊したりフォークリフトでマグネットを移動させたりする必要はなく、内部構造( body coil 等)の小変更で3T装置になるため、ダウンタイム (工事で使用できない期間のこと)も少なくてもすむという説明がなされていました。

これはアメリカよりも、部屋数の少ない日本の方がアピールする商売かもしれませんね。