Dec 27/2006 Philips Spectral CT
ここでは、去年もご紹介した点2層構造のディテクタを用いた Spectral CT をご紹介します。ほとんどのところで写真撮影が許可されるのですが、ここの部分だけはどうしても写真を撮らせてもらうことができませんでした。そこで、以前 GE で行ったごとく、メモ書きを写真にしてその機能についてご紹介します。
(注意:AmiVoice MedMail Ver.6.51a を利用して執筆しています。従来よりかなり性能が向上していますのでかなり容易に執筆ができるようになりました。速報なので文章表記の誤りがあるときがあります。その場合はご容赦ください。
はい、これがブースの目印です。外人さんに説明していただきました。
現在この CT は、プロトタイプがイスラエルの病院にあり、合計500人以上の患者をすでに撮影したということでした。
これが照射エックス線のエネルギー分布と強度を示したグラフです。左側の特に低エネルギー部分はフィルタされており患者さんには照射されません。右側の部分は患者さんに照射されるわけですが、これを、低エネルギー部分と、高エネルギー部分に分けてデータを取得します。
これが、去年もご紹介した2層構造の detector です。 SMED といいます。表面に近い方が低エネルギーのエックス線を検出し、深い方が高エネルギーのエックス線を検出します。この2層構造のディテクターを用いることで、1回のエックス線照射で二つの異なるエネルギーのデータを取得できるわけです。

これらを別々に用いて CT 画像を作ったり、二つを合成して通常の CT 画像を作ったりすることができます。ディスプレイでは、 E1, E2, CT という三つの画像が表示されていました。表示されている画像は極めて美しく、全くごく普通の CT 画像に見えました。 E1の画像は低エネルギーのため、淡い造影効果がよく見えていました。写真でお見せできないのが残念です。

このグラフは、 MRI の T2緩和のグラフのようですね。60kV と80kV の2種類のエネルギーレベルで、骨及びヨード造影剤の示す CT値が異なりますが、それぞれの変化の程度(Δ1及びΔ2で示す)が異なることから二つの構造物を推察することが可能なわけです。MRIのT2緩和時間を求める様子にとても似ていますね。
説明図の右側のように、いくつかのカルシウム及びヨード造影剤から成るファントームを撮影したとします。通常の CT では、同じ CT値を示すカルシウムとヨード造影剤を識別ることは当然できません。しかしながら、前項の図で示すような二つのエネルギーレベルにおける CT値の違いを利用すれば、両者を識別できるようになるわけです。

デモンストレーションでは、図の左側にあるようなインタラクティブなツールで両者を色分け表示することができていました。

縦軸と横軸はそれぞれ低エネルギーエックス線における CT値と、高エネルギーエックス線における CT値です。

六つのファントムはそれぞれのエネルギーのエックス線において、異なる CT値を示しています。両者が分かれるように split ラインをおいて、この線より上の方を黄色、下の方を橙色等に表示することで、ファントームの内容がどちらであるかを表示できていました。

示では、このようなファントム実験の結果だけではなく実際に撮影されたボランティアの CT 画像を元に、様々な表示ができていました。造影 CT において、骨格と造影された血管は非常によく分離されており、一瞬で血管のみの segmentation ができていました。また、石灰化と血管の分離もかなり良好でした。プラークが soft plaque であるか hard plaque であるかの識別はまだ難しいようでしたが、その結果も trial として表示されていました(脂肪を豊富に持つ部分の色分けができていました)。印象としては非常に完成度が高く、コストや歩留まり等、工業的な問題が解決されれば比較的早く販売されるのではないかなという印象を得ました。