Dec 19/2004 池田 秀さんのRSNA体験記
 2004年、北米放射線学会に参加した感想を放射線技師の立場から、機器展示を中心に記します。初参加だったのですが、おそらく初めて参加した全ての人が感じることは、その規模の大きさです。日本で毎年4月に行われる総会の3〜4倍くらいの空間に実に多くのメーカ展示を拝見することができます。そこには私自身、不認識のメーカも多く知識の狭さを実感させられました。また、各有名メーカの占有面積の広さにも関心させられます。そこには、ITを含め各モダリティーの機種がズラリと並び、各メーカの最新情報を知ることができます。また、商談などのミーティングスペースも充実しています。

 私自身現在CTの業務に従事しているため、ここからは最新の64スライスCTの話が中心になりますが、CTひとつに注目しても各社の特徴を見ることができます。東芝は被曝線量軽減のため、低コントラスト分解能向上を目的とした量子フィルターに力を入れていました。検出器は0.5mm×64で0.5mmは現在、最も狭い幅です。GEは0.625mmの検出器を64個並べ5心拍で心臓を撮影していました。X線管も大容量で、検査の速さを追求しているようでした。PHILIPSは冠動脈表示にユニークな工夫がなされていました。検出器の配列はGE同様です。


  

高原先生のwebで、SIEMENSのCTに関してもれていたので、その部分を細かくお知らせします。検出器は0.6mmを32個並べ体軸方向にフライングフォーカスを用いることで、体軸方向の分解能向上とアーチファクトの軽減を図っています。マルチスライスCTでは、風車状アーチファクトが画質を劣化させることが知られています。これは、体軸方向にオーバーサンプリングすることで軽減できるのですが、SIEMENSは体軸方向にフライングフォーカスを用いることで実現しているわけです。これにより、冠動脈のステントを明瞭に観察することができます。また、X線管回転速度0.33s/rot.は現在最速です。これは、冷却効率が優れた軽量のX線管“Straton”による効果が大きく、冠動脈を捉えるのに有利です(写真左端が“Straton”)

  

 

 

こまで、簡単にCTの特徴を記しましたが、各社の機器展示には将来を見据えた開発の様子を垣間見ることができます。このような開発競争により世界の医療界の発展があることは書くまでもありません。今後は広い視野で医療界を支える各社を応援したい気持ちにさせられました。