Jan 30/2005 OsiriXの超性能  〜Fusionもできる!
RSNA2005でCum Laude賞を受賞したOsiriXですが、その後冷やかしで使い始めたところ、日に日にものすごいソフトであることが分かってきました。

「OsiriX」ってなに?っていう人が多いと思うので、ここで説明を書いておきます。

・医用画像(DICOM) viewerかつWS機能を有します。
・完全に無料です。パーソナルユースに最適!
・インターネットからダウンロードできます。
・PET-CTなどで重要な「Fusion」がごく簡単にできます.
・VR画像やMIP画像を作成できます。
・リアルタイムMPR/MIPができます。


・作成した画像は、QuickTimeとして動画で出力できます。
・QuickTime VR(任意の角度に動かせる)出力も。
・病院のDICOM serverと直接やりとりすることもできます。
・病院のDICOM serverに作成したデータを送れます。

・閲覧中の画像を、テレビ電話システム(iChatAV)を用いて、遠隔地の人にリアルタイムで送れます(カーソル位置も送れるので、話しながら画像の相談ができます)(画質は今のところしょぼいですが、たぶん改善されます)。

・iPod Photoに画像を送れます。iPod Photoはリムーバブルハードディスクですが、これをテレビにAV接続して、動画を見ることができます。

などなど、驚くべき性能を有しているviewerで、一部はWorkstationの機能を有しているわけです。Mac OS X上で動くシステムですから、ほとんどのWindows userには関係ない話かな〜と考えていたのですが、使っているうちにどうもそうではないと感じるようになりました。

というのは、このアプリケーションは完全に無料だからです。ハードの値段なんて、iMac G5が1GB メモリ込みで20万ぐらいですから、その値段でFusion画像もできてしまう(それもものすごく使い勝手が良い)ことになります。20万でFusion viewer + mini WSが使える、と考えると、パーソナルユースだけではなく、医局などに一台購入してつなげてしまえば、安価な画像作成装置になるわけです。大量のデイリーワークには向かないと思いますが(これは有償の業務用がいいでしょう)、カンファレンスや学会では大活躍しそうです。実際、このアプリが作り出す下のような画像は、いまのところ20万円では入手困難です。

また、画像を用いたリアルタイムコンサルトになると、これはまだどこにも実現していない技術です。地球の裏側にいても話しながら画像の相談ができるんですから、そういった付加価値を考えたら相当に安い異色のマシン、ということになります。

なお、Apple Medicalのホームページに、OsiriX紹介のページがあるので、ご覧になるとよいと思います。ちなみに、この間聖マリアンナ医大でインタビューを受けたのですが、その模様も掲載されています(AppleMedicalに登録してご覧ください)。

MRIのT1強調画像と、DWIBS法で撮影した拡散強調画像をFusion したもの。

拡散強調画像側のコントラスト(カラールックアップテーブル; CLUT)は「PET」を使用。いろいろなCLUTを自由に使えます。

Fusion比率も0 - 100%まで自由に選べます。出力は、1)すべてのスライスをこのコントラストとFusion比率で出力すること、あるいは、2)このスライスにおけるFusion 比率を変化させた画像、のいずれかをQuickTime動画として出力できます。

2D MPR機能を用いて冠状断方向の再構成画像を表示しました。リアルタイムで任意断面を表示可能です。

拡散強調画像では末梢神経も描出されますが、この画像に写っていることも分かりますね。

T1強調画像は通常の2Dで撮影していますから6mm厚です。ですから冠状断再構成画像上の切れ味はもちろん悪いんですが、それでも大まかな解剖を把握するには役立つんだな〜と思いました(なおOsiriXでは自動的にZ軸方向の補間計算もしています)。

DWIBS法で撮影した拡散強調画像をVR画像にしたものです。本当のワークステーションではないですから、volumeを複数設定した高度な処理はできませんが、このように単一volumeの処理はできます。

カラールックアップテーブル(CLUT)を、「Spectrum」にして表示した結果です。得られた画像の視認性は大変良いと思います。

なお、OsiriXのこのVR計算結果には遠近法が適用されているので、手前側が少し大きく見えるような画像になっています。これも面白い表示だと思います。インタビューのページ(2ページめ)には、動画が掲載されています。


まりにすごいので、とりあえずこれは紹介しないとならないなと思い、詳しい使い方を説明した本を出せないかと考えているところです。しかし、本を読むまでもなく、ある程度の簡単なことは説明を見なくてもできると思いますから、皆さんご自分で画像を作ってみてください。なお私が持っているMacはPowerBook G4 1.25GHz メモリ1GBという、ちょっと前の機種ですが、MPR、FusionなどはCT/MRの区別なく完全にリアルタイムです。VRは時間がかかりますが、上のような画像(一番下がVR画像)であれば、360度の投影方向、180枚の画像を作成するのに約20分です。いったん命令をだしておけば勝手に作ってくれますから、学会用には大活躍すると思います。 64bit computerのG5プロセッサならばさらに速いでしょうから、すごいですよね。
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