Apr 9/2004 土曜日の自分の発表2題について
日、土曜日に2つの演題を発表しますのでちょっとご紹介します。

いずれも拡散強調画像を用いたものなのですが、いろいろな工夫をしまして、いままで2次元的に観察したりADCを計測したりといった方向で使われていた拡散強調画像を、3次元的に利用できるようにしたところ良い成果が得られました。最近にない自信作でありますので、ご高覧いただけますと幸いです。

拡散強調画像による末梢神経の描出に関して(口演
4/10 土曜日:JRS第3会場 9:20

拡散強調画像を用いた全身悪性腫瘍の3次元描出について(展示)
JRS展示会場 P86  
討論 4/10 土曜日 14:32

キーワード:PETに似た画像が得られるMRI拡散強調画像・PET・PET-CT・無被曝・非造影・全身スクリーニング・末梢神経の描出法

一般の方向け解説

ここがJRSの展示ブースです。初日の早い時間なのでまだ閑散としています。

真ん中あたりのところに自分の展示あります。

黄色い矢印のところです。

一見、普通のPETの発表に見えるかもしれません。でもこのまるでPETにしか見えない画像はすべてMRI(拡散強調画像)で得られています。またPETと同様に、任意方向への投影が可能です。空間分界能はPETを上回っています。

PETに似ているので、「MR Diffusion PETgraphy」と呼んでいます。

東海大学では昨年夏頃からあるていどの成果がではじめ、半年ぐらい前から検査の失敗なく施行できるようになりました。この「失敗無く」というところが臨床的には重要ですが、いくつかの問題をほぼクリアした結果、ルーチンベースで施行できるようになりました。撮像時間はPETと同じぐらいで達成可能です。シャウカステンの下側にかかっているフィルムが拡散強調画像です。再構成画像も示されています。

今後、この検査を普及させて、MR PETgraphyとして、無被曝・非造影・低コスト(PETの1/6)のスクリーニング手段として確立していきたいと思っています。PETなしでもかなりのところまでいける可能性があるのではないかと思います。

口演発表のほうは、この技術を利用した末梢神経の3次元的な描出です。

この写真は拡散強調画像ではなく、解剖の図を白黒にし、フォトショップの「ぼかし(ガウス)」を用いて強力にぼかしたものなのですが、このような画像が実際に得られるようになりました。これも検査失敗はほぼないレベルになっており、臨床応用も進んできました。こちらのほうは「MR Diffusion Neurography」と呼んでいます。

拡散強調画像をただMIPするだけではそれほど美しくはありませんが、後処理をうまくすることによって、これに近い表現をすることができます。

詳細については土曜日9:20の口演をご覧下さい。(ちょうど緊急シンポジウムが開かれていますが...)

いうわけで、今回はとくに気合いが入っています! レポートのほうもがんばりたいと思います。

[一般の方向け解説]

MR-PETgraphayとPET:PETは、悪性腫瘍が盛んな糖代謝を行うことを利用して発見する画像診断手法です。全身スクリーニングとしてきわめて優れた方法で、急速に普及を始めています。しかしわずかですが、被曝を伴う検査手法ではあります。またPETはそれ自体では異常が示された部位の正確な位置がわかりにくいので、最近ではCTと組み合わせて同時に施行する、PET-CTという検査が有用だとされています。つまり、悪性腫瘍検出能の良いPETで検出し、その正確な位置をCTで割り出そうと言うわけです。(CT単独でも悪性腫瘍を検出できますが、一般にその能力はPETが勝っていることが知られています)。PET-CTを用いることにより正確な位置が分かりますが、一方で、PETとCTの両者を行えば、より被曝量は増えます。またPETは高額な検査であり、MRIの6倍の保険点数がかかります。今回発表したMR-PETgraphy(MRIでPETのような画像を得る方法)は、被曝が全くなく、かつコストが1/6で済むMRIを用い、PETと同じような画像を得ようとする試みです。まだPETと同じような検出能力や正確性があるのかは分かりません。今回の発表では、このような手法を開発したので、さらにこれを押し進めようと言う主旨です。

MR-Neurography: いままで末梢神経を画像で直接描出することは困難でしたが、今回その一部を描出できるようになりました。これを用いることにより、末梢神経に生じた異常を画像に表すことができる可能性があります。


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