さてセッションのオープニングは,GEのイメージビデオで始まりました.

なかなかおしゃれな始まり方です.


1) 3T MRI (Dr. Lenkinski)

 この講演では,3T装置に期待される効果と,臨床例の供覧が行われました.もちろん英語での講演なのですが,数枚毎にまとめの通訳をしてくれるという新しい試みがなされていました.時間が倍かかりますから,長く聞いていると疲れるのですが,しかし大変分かりやすかったと思います.私は二重丸だと思ったのですが,皆さんはどう思われましたか?この件に関してぜひ感想を聞きたいので,メールを頂ければ幸いです.

 内容は,まあISMRMでもレポートしていることがほとんどでしたが,初めて聞く方には,上記の工夫がありましたから相当良かったのでは.

(要旨)
・3TではS/Nが2倍になる.これはvoxel sizeで言えば1/2に,また撮像時間で言えば1/4になると言うことである.
・問題点としては,T1値が伸びてしまうことと,SARが静磁場の2乗に比例するため,SARの制限が4倍きつくなってしまうということが挙げられる.
・T1 elongationの解決法として,IR prepared EFGRE3Dなどが考えられる.
・SARを解決する方法としては,reduced FAが挙げられる.FAを下げても,ほとんどコントラストが変わらないし,またSNも下がらないことが実験で確かめられている.
・3Tのdy coiln imagingは1.5Tのphased arrya coilに匹敵するので,高いSNの,均一性に優れた画像が得られる(以下略)

SSFSEは,MRCPの画像を見せてもらいましたが,SARの制限をもっとも強く受けるので,これはなかなか厳しそうですね.


2) Recent Advances in Neuro and Cardio Vascular Imaging (Dr. Edelman)

 この講演は,著明なEdelman先生によるものでしたが,期待に反してかなりつまらないものでした.あまりに総論的過ぎて,みんなが知っている内容を浅く話したという感じです.いまどき拡散強調画像とPerfusionが脳梗塞に有用だとか,b値が1000以上ないといけないとか言われても,唖然とするばかりです.これは他の演者の先生の講演内容が素晴らしいものが多かったために,余計にそう思うのかも知れません.通訳により内容は大変分かりやすかったのですが...

 残念ながら著明な外人の招聘講演って,こういうことがよくあります.おそらく,アメリカの情報が日本へ伝播するのに時間がかかると誤解なさっているのだと思います.もちろんこれはGEさんが悪いのではありません.しかし私はここで敢えて提言をしたいと思います.

 ぜひ,このような会の時には,講演内容に関する各演者別のevaluationを行ってください.海外の学会やセミナーでは,たいていevaluationがあります.その結果は数字で演者に伝えられます.ですからこれは著明な効果があります.次のような内容の評価を皆にアンケートで聞いてもらえるとありがたいです.これは,学会でも,他の企業主催のセミナーでもお願いしたいです.

よく分かった---分からなかった
役にたった---役に立たなかった
新しいことを含んでいた---含んでいなかった
発表の仕方がよかった---悪かった

なお,GEさんでは全体的なことに関するアンケートを行っていました.そこにはemail addressを書きこむ場所がありました.そこで,addressをもっている人だけでも頼んで,今からでもevaluationをしてもらうというのはどうでしょうか.(この意見に賛成の方,メール下さい).次の会に向けて,きっと役に立つと思うのですが.(まあ,Edelman先生に悪いから,今回はムリかな...)

BlackBlood法を用いたplaque imagingは非常に画像がきれいでした.詳しく知りたかった..!

3) 腹部骨盤領域におけるMRの臨床的有用性(増井先生/聖隷浜松病院)

 MRCPと,機能動態画像について分かりやすく最新の成果を教えていただきました.

MRCPでは,ASSET + 3D Resp. gateの画像が Single Slice 2Dに優ることを示されていました.この画像はかなりきれいで,分枝膵管も良く出ていました.

機能動態画像に関しては,慢性期の小腸閉塞に対する,MR enteroclysisとしての応用(single cineだけでなく,multislice cineも用いる),骨盤臓器の癒着の有無の診断,子宮収縮の解析に対する応用などについてのお話しでした.いずれも臨床的な価値の高いお話しでした.

以下私がそのときにさせていただいた質問と,増井先生のお答えです.

Q:ASSET + 3D Resp. gateの画像は大変きれいですね.しかし2D の画像はもう少しきれいなはずではないかと思うのですが,先生はどのくらいのTEをお使いですか?GEではずっと180ms以上の長いTEは1200ms程度になってしまうため,間がなくて困っていたのですが,最近要望を出したところGEの方が改善してくれて,Body PAKになって供給されています.それを用いれば300ms〜500msのようなTEも用いることは出来ると思うのですが.

A:以前 medimu long TEも検討したことがありますが,患者さんによって至適TEがかなり違うので,いつも変えなくてはならない不便があります.さらにSSFSEではload時間が長いので,そういうことを繰り返しているよりもこの方法でやった方がよいと考えています.

以下,質問時間が短かくdiscussionできなかったのですが,私の感想です.
→BodyPAKを使って300msで用いるとかなり良好な画像がとれると思う.もちろん患者によって個体差はあると思うが,1200msで撮るよりは相当ましな画像が得られると思う.(ここで示されたような250ms程度の)ASSET + 3D resp. gateが非常に画質が良いことは分かったけれども,そのTEのthick slice MRCPと比較したデータもみたいな〜.

Q:腸管の蠕動運動を確かめるのにmultislice multiphaseで撮影されていますね.私は小腸閉塞のときに,大体の閉塞部位が分かるので,そのを狙ってsingle sliceでcineを撮るのですが,multisliceはは(広範囲が撮影できるので)機動力があっていいなと思いました.ところでこれは息止めで撮影するのですか.

A:息止めではなく,自由呼吸下で撮影します.呼吸運動も重要な情報だからです.

以下,同様に私の感想です.
→現在,cine画像を撮影した場合には,QT movieに変換して内科,外科の先生に提供しています.しかしフィルム上で表現しておくことも(=1枚の画像でも分かるようにすることも)重要だと考え,サブトラクション処理を行っています.単なるシネ画像をフィルムに印刷しても全く意味のない結果しか得られませんが,サブトラであると蠕動の有無や程度があるていど分かるからです.このときに呼吸運動があると蠕動のみをサブトラで表現できなくなってしまうため,敢えて呼吸停止下に撮影しています.

 呼吸運動が特に役に立つのは,腹壁や骨盤内臓器などの,呼吸では動かない構造物との癒着を見る場合,とくに腹壁に対する場合ですが,これらを評価する目的で,自由呼吸下のデータも必要に応じて追加しています.しかし全体としてみると手間がかかりますから,ばっさりmultiphaseで行っておくこともいいかなと思いました.なおAWでは,(今度MR学会で発表しますが)小腸閉塞のサブトラに関してうまく表現できるアプリがいまのところないので,この辺についてこんどGEの人に頼んでみようっと..


4) Singna TwinSpeed... infinite possibilities (Dr. Kuppsamy)

 これはTwin Speedだけでなく,いろいろなWIPや最近可能になった技術などの製品説明でした.ASSETやFAME,dual echo SPGR, Quiet Technology, MRSなどのお話しでした.

 個人的には,Propeller FSEの画像ができあがっていく様子を動画で見せてもらったのが面白かったです.


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